緑の月の読書日記

剣と魔法とドレスの世界が大好きです。ラノベと漫画のレビューを載せていきます。

新装版 北の砦にて2

1巻に続いて、2巻目のレビューです。

 

前回が「初めてのお留守番」(待ってないけど)だったら、今回は「初めてのおつかい」編ですね。

 

ミルフィリアは、母上の言いつけで、国王陛下へのお手紙を手に、単身王都を目指します。ただ、その道程は雲行きが怪しく、道中は精霊の子を狙う誘拐犯と思しき影も現れて、、、、、そもそも、なぜ母上は単身のお使いを言いつけたのか、砦の騎士たちはミルフィリアを一人で行かせるのか。

 

本作の特色だと思うんだけど、物語の主人公って、一生懸命の頑張り屋さんが多いと思うんだけど、本作の主人公はとかく努力とか頑張ることが嫌い、そして独りぼっちが嫌い。そもそも一人で王都なんて、まっっっったく行きたくないし、途中で道草食ってサボってばっかり。真っ白でモフモフでなければ、許されない行いですね(笑)。

 

そんな訳で、道中は遅々としてはかどらず、脇道にそれては遊び、もらったおやつは早々に食べつくし、なぞのぬいぐるみに怯えながもお使いは進みます。個人的にはクガルクと二人の掛け合いが、可愛かったです。クガルクは、だいぶ精神的に大人ですね。

 

本作らしく、謎はありつつも、温かな人間関係が主人公を包みます。母上だけだった世界に、北の砦の騎士たちが加わり、クガルクが訪れ、少しつミルフィリアの世界が広がるやさしい物語です。