緑の月の読書日記

剣と魔法とドレスの世界が大好きです。ラノベと漫画のレビューを載せていきます。

JKハルは異世界で娼婦になった1・2(コミック)

ノベル版も出ているそうですが、今回はコミック版を購入したのでコミック版のレビューです。一気読みしたので1巻2巻まとめた記載になります。

 

女子高生ハルが、異世界に行って娼婦になる話です。タイトルまんまですね。タイトルから分かるとおり、大人な描写も多く含みます。ダークな描写もあるので、読むときはそれなりに元気な時がお勧めです。

 

転生先は、剣と魔法の世界で、時代的には中世のヨーロッパ的な感じです。異世界系の話は、今の世界での知識や情報をもって行ったり、異世界に行く過程でチートな能力をもらってたりして、異世界では無双したり、イージーモードで生きる展開が多い中で、本作はなかなかダークな展開を迎えます。

 

剣も魔法も使えず、特殊能力がない女性が転生して、手っ取り早く稼ごうと思ったらこうなるよね、という感じです。これは転生した世界が悪いわけではなく、戦って生き残ることが必要な世界では、どうしたって特殊能力があるか、腕力が強い方が優位に立つ。弱い立場で生き残るためには、それなりに覚悟や対価が必要なわけで。厳しい社会であるがゆえに、弱者として生き残るのは大変であることは、誰かが悪いわけではなく社会としての必然としてそこら辺は淡々と記載されています。

 

一人で雨宿りすらできない世界。男尊女卑だったり、水商売をする女性に対する偏見もありつつ、その中でも明るく冷静にしたたかに生き残ろうとする主人公と、厳しい世の中だからこそのやさしさが染みたりもして、時々ほろりとさせてくれる作品です。

 

これは異世界の出来事ととして描かれているけど、少し時代をさかのぼれが日本でもヨーロッパでも同じだったんだろうな、という感じです。時々描写される主人公の現世時代との対比や、日本で生活していて頃の話を読むと、何が違うんだろうと考えさせられます。

 

異世界転生物は、ある程度類型化していて、多少展開は違えどパターン化しつつある中で、明らかに異彩を放つ本作品。続刊も刊行されているので、主人公がどこに進むか楽しみです。