緑の月の読書日記

剣と魔法とドレスの世界が大好きです。ラノベと漫画のレビューを載せていきます。

転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す6

5巻から始まった、特別休暇編の続きですね。

 

霊峰黒獄に到着して、ザビリアとも再開した主人公一行。ザビリアが治める竜の世界や、各人の性格やエピソードも交えつつ、相変わらず300年前の影がちらつきます。黒騎士とは誰なのか、シリウスはどうしたのか、魔人はどうして姿を消したのか、精霊はどこに行ったのか。

 

そして、本巻から本格的にバトルスタートです。魔人との遭遇で、物語全体として方向性や対決構造が明らかになります。この手の文庫では、最初からお約束のように先が見えている物語も多いのですが、本作ではある程度見えはしつつ、ここまで引っ張りましたね。

 

6巻は、やや本編が短めで、後半はキャラクター人気投票の結果発表と、上位キャラクターのエピソードになります。実はこれを書いている時点で、最新刊の巻まで読み終わっているのですが、これ、番外編というより完全に本編ですよね。次巻への布石が随所にちりばめられている。。。先が気になる方は、読まないで進んでも問題なく理解はできますが、背景が分かると二度おいしい感じです。

 

うん、後書きにも記載がありますが、キャラクターはどんどん増えていきますね。1巻と異なってそれが苦にならないのは、作者さんの実力が上がったか、各キャラクターへの愛が凌駕したか。。。

 

いずれにしろ、続きが楽しみな作品です。

転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す5

サザーランド編が完結し、新章スタートです。

新章は何と呼ぶべきか、、、特別休暇編?霊峰黒獄編?

 

訓練が完了して、特別休暇が取れることになった主人公。北方地域に勤務する姉に、そしてさらに北に位置する霊峰黒獄にいるザビリアに会いに行こうとするけれど。。。

 

ここで今までずっと一緒だった騎士団と離れ、カノープスとの旅になります。そして、いままで別小話になっていたアルテアガ王国編が、本編に合流します。今までは三兄弟で登場していたアルテアガ王国パート、弟二人になってどうなるのか。そしてそこにカノープスとザビリアはどう関係を築くのか。組み合わせが代わっての新章スタートですね。

 

要所要所でエピソードが除く300年前、主人公の死後に何が起こったのか、カノープスは何を隠しているのか、300年前と今の主人公の家族構成はほぼ同じであることに意味はあるのか、見えそうで見えない匙加減が上手な作者さんですね。

 

また、本編では主人公の恋愛模様も動き始めます。

いや、この手の物語として、周りは主人公大好きなんだけど、自己評価が低い主人公は気が付かなくて、、、のまま終わる系も多いから、どうなるかと思ったんですよね。ちゃんと主人公自身の気持ちも書く予定なのだと分かって、なおのこと楽しみです。

 

主人公の下で、新しい冒険が始まるのは、わくわくしますね。

 

 

スタンフォード式最高の睡眠

ベストセラーになったので、解説がいらない方も多いと思いますが。

 

スタンフォード大学精神科教授が、自身の研究を元に、睡眠のメカニズムと、いかに良質な睡眠をとるかについて解説した本です。

 

御本人の主となる研究はナルコレプシー(突発的に強い眠気に襲われる)だそうで、睡眠の大切さや、質を上げるにはどうしたらいいか、日常の生活でできることを、食事、飲酒、生活リズム、体温等、さまざまな面から教えてくれます。全て実践することは困難でも、部分的に取り入れることも可能なので、役に立つ人は多いと思います。

 

また、ちまたでよく言われる「90分の倍数寝るといい。」「朝型と夜型」「ショートスリーパー」等、睡眠に関する諸説についても、研究者の立場から言及されれいます。

 

脳の中身やメカニズムは、完全には解明されていないとはよく言われていますが、その研究の中身を垣間見るのは、とても興味深かったです。

 

実は、個人的に寝具の買い替えを検討していて、その参考になればと思って購入したのですが、その点についてはあまり言及はありませんでした。そちら方面は研究外なのかと思ったら、巻末の著者のプロフィール欄には、しっかり某メーカー名と開発に協力した旨が。。。特定のメーカーの宣伝にならないよう、その手の記載は自粛されたんでしょうね。

 

著者の誠実さが見えた半面、今回記載がなかったその部分についても、読んでみたかったというのが正直な感想です。

 

書店のランキング等でも、上位を記録した本著。沢山の人にお勧めしたいです。

 

転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す4

サザーランド編、後編ですね。

 

シリル団長と共に、サザーランドの地を訪れたフィーア含む一行。300年前と同様に広がる流行り病、騎士と住民間の確執、そして、3巻最後で復活したあの人はどうなるのか。サザーランド問題と、300年前との関係、物語の大きな方向性が見えてくる4巻になります。

 

主人公、シリル団長、カーティス団長、そして、途中から王都からあの人がやってきます。相変わらず、打算ない行動から、勝手にどんどん大聖女と認定される主人公(笑)

 

この物語は、本当に悪い人が登場しないなと思います(300年前の主人公兄達と魔王を除く)。悪い人はいないのに、いろんな過去や事情があって、分かち合えないのは悲しいですよね。

 

転生ものならではの御都合主義と言われるかもしれないけど、問題が解決して、登場人物が皆幸せになっていくのは、やっぱり痛快で嬉しい。主人公の周りで、皆が幸せになってくれて、3巻と合わせて、本当に読んでよかったと思わせてくれる4巻でした。

 

 

軍服の渇愛

昔から、ヒーローが大好きなヒロイン。振り向いてほしくて頑張っても、妹としてしか見てもらえない上に、ヒーローは国の英雄になってしまい、どんどん離れて行ってしまう。そんな中で、ヒロインに断れない縁談が持ち上がって。。。大人な描写もある作品です。。

 

妹キャラでおっとりしているようで、意外と行動力のあるヒロイン。序盤のヒーローの態度は、好みが分かれそうですね。ヒーローの抱える過去と、二人が生きる国が抱える問題が絡み合う作品です。

 

本作品は、オムニバス式の3部作になっているようですが、それもあってか、時代背景や社会的な問題も短い中に矛盾なく書き込まれていて、良かったです。都合のいいときに唐突に新たな設定を出したり、逆に作品に対する設定が多すぎて読みづらい作品にならずにバランスよく仕上げているとことに、作者さんの書き手としての実力を感じます。

 

「歪んだ愛は美しい。」をテーマにするソーニャ文庫においては、比較的まっすぐなヒーローとヒロインだと思います。

 

 

壁の花令嬢は、幼馴染の社交界プリンスに溺愛される(××付き)

幼馴染のヒーローと、婚約することになったヒロイン。昔から大好きなヒーローと婚約できるのは、嬉しいけれと。。。

 

題名どおり、幼馴染の溺愛ものです。若干ですがR18な描写もあります。

 

某サイトのお勧めに表示されたので、買ってみました。本作は、ページ数は多くありませんが、よくまとまっています。多少、社交界での陰口等はありますが、意地悪な人や、悪役も登場しないので、主人公がいじめられる場面が苦手な人でも、安心して読める作品です。

 

時々、無性に読みたくなる溺愛もの。主人公が愛されているのは、やっぱりいいですよね。

 

 

 

転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す3

サザランド編、スタートです!

 

シリル団長と「お友達」になったフィーアは、彼の領地であるサザランドに同行します。大聖女としての思い出の地であり、10年前の悲劇の地でもあるかの地で、フィーアはなぜか「大聖女の生まれ変わり、かもしれない者」として認定されて。。。

 

3巻目は、今までと少し異なり、新たなる登場人物は比較的少なめ、サザランドに向かった一行の中で人間関係や、その人の過去を掘り下げていく形になります。ザビリアがいないのも、だいぶ雰囲気が変わりますね。

 

少しずつ明かされる300年前の出来事と人間模様、領民とシリル団長との隔絶、そして、ラストで衝撃と共に彼が覚醒します。

 

そして、私の一番の押し、シリウスが初登場になります。うん、やっぱりかっこいいですね。私の中で、どっちに向かうんだろうと思っていた部分の方向性が、3巻にして初めて見えてきました。

 

そして、なんと、本巻は話が完結せず、次回に続きます。この手のシリーズは、一話完結が原則なので、いい意味でびっくりしました。続刊発売が約束されてることは、読者としてはうれしい限り。この作品が、読者に愛されている証ですね。

 

続刊にも期待したいと思います。